雑貨・食品・酒類など幅広いアイテムの輸出入や、自社ブランドの商品開発・製造を手がけるマルカイコーポレーション株式会社(以下、マルカイ)。「見つける、創る、育てる。私たちだからこそ届けられるモノ語りがある。」というミッションを掲げ、進取の精神をもってさまざまな取り組みにチャレンジしています。
今回はそんな同社の歴史やモノづくりへの想い、そしてその理念を体現した商品「クランベリーEX」をご紹介するために、マルカイコーポレーション株式会社 代表取締役 松賢児さんにお話を伺いました。
ZIPPOからお酒まで多彩
輸出入を手がけて80年以上
マルカイは松さんのお祖父さんにあたる松忠勝さんが、昭和13年(1938年)に創業した会社です。当時は「菊屋商店」という商号で、開拓のために中国に赴いていた日本人向けに塩干物(えんかんもの)を中心に日本から輸出していました。当時は食品を冷凍する技術は一般的ではなく、塩干物はとても重宝されたそうです。
戦争が終わって人々が大陸から日本に戻ってきてからは、日系移民の多いハワイやアメリカ西海岸を対象に食品の輸出業を営んでいました。
昭和30年代までは輸出が中心でしたが、先代の社長(現・会長)である松順造さんがアメリカで日本食を流通させたいと考え、昭和40年(1965年)にハワイで現地法人を設立。ロサンゼルスやサンフランシスコ、ニューヨークなどアメリカの大都市を中心に日本→アメリカのインポート事業を開始。全米の日本食を扱う小売店やレストランに商品を卸していました。
順調にビジネスは成長していきましたが、昭和48年(1973年)に為替レートが1ドル360円の固定相場制から変動相場制に変わり、輸出業はビジネスの変革を余儀なくされます。マルカイの従業員も社長を含め4名まで減り、経営の危機を迎えました。
そんな時に同社が出会ったのがZIPPO(ジッポ)のオイルライターです。ZIPPOは日本で爆発的にヒットし、取り扱いを開始してから会社の業績も一気に上向きました。マルカイは今もZIPPOの日本正規輸入代理店になっています。
▲マルカイコーポレーション(株)本社の応接室。木のナチュラルな風合いを活かした意匠
その他にもアーティストとのコラボ商品や、雑貨感覚の100円商材、食品、ジュース、ウイスキー、ワインなど幅広い商材を扱っており、デパ地下やスーパーマーケットで同社の名前を見ることも少なくないでしょう。
また、関連会社のタカムラ株式会社はワインとコーヒーの専門店として国内でも有数の売場面積を誇り、平時には世界中から珍しい商品を求めて人が集まっています。
▲多彩な商品の輸出入・販売を手がけています
自然そのままの味
素材100%の機能性食品
そんなマルカイは、約20年前から果実を使ったジュースの販売をスタートさせています。
きっかけは当時社長だった順造さんが、長野県の山奥まで趣味の川釣りに出かけた時のこと。時間つぶしに辺りを散策していたら、たまたま目に入った配送会社の拠点で、リンゴジュースが山積みになっているのを見つけました。
好奇心旺盛な順造さんは「これどこで作ってるの?」と作り手について聞きだし、その足でジュースを作っている農場へ行ったそうです。そこで飲んだりんごジュースがとてもおいしく、しかも生食用として出荷が難しい規格外の果実を使うという理念にも共感。順造さんはその場で頼み込んで、商品としての取り扱いが始まりました。
そうして生まれたこだわりのブランド「順造選」。立ち上げ当初は苦戦したものの、20年かけてブランドは成長。現在も長野県産の果物を使った飲料を中心に、ラインナップを広げています。
素材の持つ自然な味わいを活かした「順造選」の中でも、新しいコンセプトで作られた商品がクランベリーのストレート果汁100%の「機能性表示クランベリー100」。ただの100%ジュースではなく、排尿領域における日本初の機能性表示食品という一面も持つ健康を意識した商品で、女性を中心に多くの支持を集め、同ブランドの売上ベスト5にも入っています。
▲「機能性表示クランベリー100」
困難を乗り越え生まれた
クランベリーの無添加ゼリー
クランベリー関連商品が注目される中で、今回ご紹介したいのが食品添加物不使用のゼリータイプ商品「CRANCLEAN クランベリーEX」。
▲「クランベリーEX」10本入
この商品が開発されたきっかけは、「機能性表示クランベリー100」を飲んだ方から、「トイレのお悩みが改善された」というお礼のお手紙を多くもらっていたこと。
瓶入りのジュースよりも小さく、もっと手軽にクランベリーの栄養素を摂取できるようにという想いから、プロジェクトがスタートしました。ゼリータイプなら持ち運びも便利で、外出先でも飲むことができます。
▲個包装されたスティックタイプです
▲コンパクトなサイズで持ち運びにも便利
商品開発におけるこだわりのひとつが「効果がないと意味がない」ということ。ゼリータイプを選択したのも、タブレットや錠剤よりもクランベリーをたくさん使うことができるからです。
他社のスティックタイプのゼリーは甘味料や他の成分で薄めたりしていますが、「クランベリーEX」は北米産クランベリーの7倍濃縮果汁を極限まで配合し、関与成分は100%ジュース並みの濃さを実現しています。
▲クランベリー収穫の様子。北米産クランベリーを使用しています
そしてもうひとつのこだわりが、動物性原料のゼラチンなどや香料、着色料、人工甘味料などの食品添加物を一切使用しないこと。
ただ、クランベリー100%のままでは酸っぱすぎてしまうので甘さを加えています。こちらも、羅漢果やはちみつなど数多くの天然甘味料の組み合わせを試行錯誤した末に、てんさい、サトウキビ由来の果糖と、ドライプルーンの濃縮果汁にたどり着いたそうです。
鉄分が豊富なプルーンを加えたことで果実由来の甘みが増し、オオバコ科の植物由来で腸のぜん動運動を促してくれるといわれる食物繊維「プランタゴオバタ」も配合されており、特に女性にはうれしい栄養素が豊富。
▲食品添加物不使用。キナ酸・鉄分・天然の食物繊維などの成分が健康をサポート
食品添加物無添加へのこだわりは、味覚を調整するうえでも大変でしたが、ゼリーとして製品化する製造工程にも大きな苦労をもたらしました。
一般的に液体をゼリー状にするには、食品添加物扱いのゲル化剤を使えば簡単ですが、無添加を貫くために「クランベリーEX」では寒天を使用。ただし寒天で理想のゼリー感を出すのはとても難しく、何度も試作を重ねたそうです。
製造ラインを構築するうえでも大きなハードルが待っていました。ゼリー化した寒天を小袋へ充填することは、多くの製造工場にとって経験がなく、その粘度で機械が壊れるリスクを嫌い、複数の製造工場をまわっても全て断られました。最終的には1社のみが共に挑戦してくれて、ようやく製品化できることになったそうです。開発担当者さんの情熱には並々ならぬものがあります。
酸っぱいのは無添加だから
反響を呼んだ果実の力
こうして生まれた「クランベリーEX」。無添加のスティックゼリーは他社では製造されておらず、唯一無二だそうです。そんな「クランベリーEX」を実際に食べてみましょう。
▲ゆるすぎず、固すぎずの食べやすい粘度です
▲サッと食べられる量で毎日続けられそうです
事前に聞いていた話では「非常に酸っぱい」ということでしたが、思ったよりも食べやすい印象です。あえて甘くしないのは、クランベリーそのものの良さや機能性を凝縮するため。マルカイの担当者さんの話では、まずは「そのまま食べる」のがおすすめだそうです。
最初はクランベリーの酸味が強烈ですが、同時にプルーンによる果実由来の甘さも感じられ、イヤな酸っぱさではありません。レモンやグレープフルーツに抵抗がない人なら、むしろクセになるような味わいです。
▲果実由来の酸味・甘味が感じられます
そのままでも食べられますが、もしアレンジするなら、ヨーグルトやグラノーラに混ぜるのが手軽で良いでしょう。
クランベリー果実の機能を可能な限り凝縮させた「クランベリーEX」。愛用している方からは、トイレのお悩みについてだけでなく、それに関連して「むくみが取れた」など、男性・女性を問わずさまざまな声が寄せられているそうです。
「おいしい」の先へ
付加価値を創造する
今はおいしいだけでなく、ストーリー性があったり、身体に良かったりと、付加価値のある商品が求められる時代。さまざまな事業を展開するマルカイコーポレーション株式会社にとって、クランベリーをはじめとする機能性に優れた食品・飲料のラインナップ拡充は、今後も注力していく取り組みのひとつです。
同社には、順造さんの精神も影響しているのか「新しいものを生み出す」ことを歓迎し、積極的に行動する気風があります。独自の視点とアクション、そして強い想いで、これからも私たちに新しい驚きと感動をもたらしてくれるでしょう。
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